さぁ!動け、物語!←


メイ…ミク?
うーん…メイ…ミク?

Let me do as he likes.




がんがんとクーラーをつけ、布団にくるまる。
心地の良いまどろみ。

誰もいないのをいいことにミクを襲って、そのまま眠りに落ちて。
隣のぬくもりをぎゅっと抱き寄せる。
23℃まで下げたから、タオルケットだけじゃ少し寒い。

顔をくすぐる彼女の髪の毛がくすぐったくて目を開けた。
ぼんやりと寝ぼけ眼と目が合う。

そういえば、情事のあとこうやって二人してまどろむのって初めてだ。
やることだけやって…服着て…何もない顔して…

「さむい」

思わず笑ってしまった。
雰囲気も何もない。
時計をみると、既に三時をまわっていた。
昼間っから何してるんだろう、不健康だな…

全面的に、悪いのは私だけどね…

本末転倒…
私がミクに手を出せば、リンが動くと思った。
リンが動けば、ルカが引くと思った。

なにも、うまくいかない…

なし崩しに、私は彼女と関係を続け、ルカを忘れることも出来ない。
リンは動かずとも、一途にミクを想い、ルカもリンを見つめたままひかない。

うまく扱えないルカから逃げては、私はミクに甘える。
彼女だけが、私を否定しない。

最低だ…

「メイコ、さむい」
「私に抱きついてれば寒くないわよ」

ちょっと不機嫌な顔をして、私の目をみる。
「メイコがタオルケット占領してるからでしょ。あたしお尻丸出しでさむい」

ミクは私のことをどう思っているんだろう。
嫌われてはない。
嫌われてなくても、好かれてもないかもしれない。
もしかしたら、もう憧れてさえくれないかもしれない。

それでも、私が彼女の背中に手をまわせば、彼女も抱き返してくれる。
彼女の胸に甘えれば、頭を撫でてくれる。

でも、急に怖くなる。
罪悪感で潰されそうになる。
彼女を抱くとき、私はルカと重ねているのに…聖母のように包みこんでくれる彼女が怖くなる。

ルカとそういう関係になるなんて、もうそんな望みはないのに…
彼女が抱きしめ返してくれるたびに、まるでそれがルカの腕であるかのような錯覚。
否定されても、拒否されても、彼女に会いたくなる。
触れたくなる。

そしてまた私は、彼女の甘やかさに溺れるのである。


「寒いならさ…あったまることしようか」
「メイコそればっかだね、最近」

憎まれ口を叩いても、嫌って言わない。

ミクを腕の下に組み敷くと、そっと鎖骨に歯をたてた。
「…ぃ、た……」

口づけと交互に繰り返しながら、彼女の柔らかい肌を味わう。
乳首に歯をたてると、頭上の彼女が呻いた。
今度は、いたわるように舌で嬲る。

肌理の細かい肌の感触を掌で感じながら、そっと手を下していく。
ひざ裏に手を回すと、ミクの足を大きく開いた。
そのままぐっと上に持ち上げる。
下からみたら丸見えだろうななんて、他人事。

「ちょ、ちょっと、メイコ…!」

大丈夫、前の情事からそこまで時間がたっていないせいか、彼女のそこは充分に潤っていた。
彼女の足を肩にかけて、閉じられないようにようにする。

予告なく二本の指をねじ込む。

「んぅっ!…あぁ、っ」

傷つけないように、それでいてちゃんと感じるように。
微妙にストロークを変えて、なかを突く。
誘われるように、たたずむつぼみに口を付けるとミクの声が高くなった。

一瞬、ミクの声と彼女の声が重なって動揺する。
無意識に、彼女の中を強く突き上げる。

「あぅ、や、あ……め、こ……はげし、あッ」

引っ込みがつかなくなって、そのまま抉るように指を動かし続ける。

「も、ぅ…むりっ、あぁ、ふぁぁ……っ」
まるで、生き物のように彼女の膣が蠢き、私の指を離さなくなる。
余韻を楽しむかのように、彼女のなかがひくひくと動く。

「イクのはやくない?」
「メイ…コの、せいでしょ…」

力なく睨まれるけど、怖くない。
でも、そうやって許されてしまうことが怖い。

いつだって、夢にみるのはルカの涙だ。
今はこれで良いかもしれない…
でも、いずれ後悔する。
許されたいのか、罰を受けたいのか、もう分からないけど…


ルカ…

「…やっぱりさむいよ……」

「…ミク」

ミクの手が私の肩にかけられる。
口元を、私の耳に近付けるとそっとミクが呟いた。


「ねぇメイコ。もう、やめよう…こういうこと」






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