DAMEIKO!SEMEIKO!
セメイコなダメイコがもっと駄目になる

メイコ→ルカ→リン→ミク

記念すべき第一回はメイコ→ルカ

Let me do as he likes.




いつから好きだったかなんて、そんなこと聞かれてももう覚えていない。
ただ、絶対になびこうといないその姿が印象的だった。
どこから吹く風でも受け止めて見せましょう、そんなふうに…
本当は、そよかぜでさえなぎ倒されてしまうくらい弱く、脆く傷つきやすいのに。
抱きしめたいと思う心は、きっと間違ってなんかいない。

初めてのキスは酔った勢いだった。
酒の力であろうと、まさか自分がそんなことをしでかすなんて思ってもいなかったから、その時一番驚いたのは私だろう。

二度目のキスは、私を意識させるため。
よそ見ばかりしている彼女に、私の方を向かせるためだった。
二人きりの防音室で、大声あげてもいいけど誰も来ないわよといって、彼女を脅した覚えがある。

三度目のキスは、私が我慢できなくなったから。
私に背を向けて去ろうとするから、無理やり振り向かせて無理やり重ねた。
小刻みに震える細い肩が、まるで怯えるウサギのようだった。

四度目のキスは、私を植え付けるためのキス。
時折洩らす声に、無理やりかけた理性と言う名のブレーキ。
何事も無かったかのように、健気にふるまう姿に試されているようで少し楽しかった。

あとは、情欲に任せるまま気の向くまま。
彼女が嫌がったって知らない。
睨みつけるその目だって、そんなに涙をためていたら、ただ誘っているようにしか見えないわよ。


もう、何度目かも分からないこのキスは、深い情事を重ねるため。
もう、キスだけじゃ足りない。
貴女が悪いの、私は悪くない。
だって、惚れさせたのは貴女でしょ。

ブラに手を掛けたところで、彼女がやめてといった。
まるで説得力のない、小さな声。
だから、気付かないフリをした。
泣き顔だっていい、何だっていい。
この独占欲を満たせるのならば…

豊かな胸の中心で、色づく蕾を口に含む。
左手で彼女の腕を抑えてるもんだから、使えるのが右手と舌だけで不便だ。
甘噛みしたり、舐めたり吸ったり…
上目づかいで、彼女の顔を見ると、ルカは視線をそらして唇をかみしめていた。
そんなに噛んだら傷になる。

少し体を起して、彼女の唇を舐める。
初めは抵抗してなかなか開こうとしなかった唇も、今ではこじ開けなくても簡単に開く。
それは諦め?観念?ま、どちらでも構わないけど…
どうせ、やることは同じなんだし。

奥へ逃げる舌を絡め取って、無理やり吸い上げる。
水音が、口の端から洩れる吐息と重なって卑猥なBGMになる。
ぎゅっと閉じられた瞼の下にある蒼い瞳は、意地でも私を見ようとしない。
まだ、泣かないんだ。

掌に収まりきらない乳房をぐっと揉みし抱く。
存在感を増す乳首に軽く触れるたび、白い体が跳ねる。
本当は、口も使って彼女を愛したいところだけど、生憎今離したら、彼女はまた唇をかむだろう。
彼女を愛す、ね…バカバカしいにもほどがある。
こんな一方通行な愛、誰が受け取ってなんかくれるものか。
これはただの、巡音ルカをつかった私の自慰行為にすぎない。
気持ちいいのは私だけだ。

どうせ、閉じたその瞼の向こうには、金髪の少女でも映っているんでしょう?
その子だって、貴女のことなんて見ていないじゃない。
私を見て、だなんて今更そんな勝手なことは言わないわよ。
だから、今だけは私を感じて。

ちらりと見えた、首筋の鬱血。
昨晩、私が付けた所有印。
誰にも気づいてもらえなかったことが少し寂しい気もする。

乳房の愛撫を中断して、脇腹に掌を滑らせる。
くすぐったくて身を捩るのか、それとも快感か。
漏れる吐息に熱が混じる。
徐々に降下していく手に、焦りを覚えたのか抵抗が増す。

舌を噛み切られそうだと思って、さすがに唇を離した。
「もぅ…やだ…なんで、こんなことするんですか…」
なんでと言われても…
「別に、いいじゃない。なんでも、気持ちよければ…」
こんなところで愛を嘯いたってどうにもならないことくらい、私にも分かっている。
腕が拘束されていなかったら、きっと今頃私の頬には真っ赤な痕ができていただろ。
そんな、目をしていた。

優しさなんて忘れた。
貴女が、私以外の人に恋をした日から、きっと置いてきてしまった。
「別にいいわよ、叫んでも」
同じような台詞を、以前にも言ったことがあったっけ。
目のふちから、一筋、また一筋と涙がこぼれる。
頬を伝うそれは、清潔な枕カバーに吸い取られていく。

「叫びたければ叫べばいいわ。ミセイネンのリンたちがみたらどう思うかしらね、この状況」
あぁ、なんて意地の悪い言葉。
こんなこと言ったら、ルカは絶対に叫んだりなんて出来ない。
可哀相なルカ、私を惚れさせたばっかりに。

いいわ、私の色は情熱の赤だもの。
最高の快楽をあげる。

反抗することを放棄した体は素直に開かれていく。
初めて触れた彼女の中心は、想像していたよりもずっと熱かった。
そっと腕を拘束していた左手を離す。
抵抗は無かった。

足を抱えて。彼女の中心に顔をうずめる。
下から上へ舐めあげると、腰がびくんと跳ねた。
くぐもった、声を我慢する音が聞こえる。

「ん…っ…ぁ」
体は素直だ。
静かにたたずむ突起に触れると、体に力が入るのが見てとれる。
「ぅん…あ、あぁ!」
舌で包み込むように扱くと、抑えきれなくなった声が漏れだした。

彼女から溢れた露が口元を濡らす。
刺激を与えるたびに、存在感を増していく。

「ひゃぁ!…っぁ、ん!」
上目でルカの反応を見ながら、舌を動かしていく。
反応を見ながらと言っても、自らの心臓の動きを制御するのが精一杯で、余裕なんてカケラもなかった。

溺れさせようと手を出したのに、結局、溺れたのは私。
ミイラ取りがなんとやらとは、このことか。

「ん、ん…う」
突起から舌は離さないまま、右手の中指を彼女の中に沈めていく。
「はぁ。あぁ!」
まるで別の生き物の様に、多方面から絡みつく彼女の壁。
やはり、切羽詰まっているのは私で、いつまでも困惑から抜け出せないのはルカ。

容赦なんてしない。
一度だけ、膣で指をくるりと一周させる。
半分ほど抜いて、入り口にもう一本の指を添えた。

これだけ、濡れていれば大丈夫。
「痛くしないから」
今更何を言っているのかしら、私は。
ルカは、肩で大きく息をしているだけで、何も反応しない。

そうか、そうだった。
これは私のマスターベーションで、彼女は臨時のダッチワイフ。
本当は心が欲しかったの、なんて口が裂けても言えない。

色々矛盾しすぎて、もう自分でも、何が何だか分からなくなってくる。
白で統一された四畳半で、必死になっている自分がいる。
はは、笑っちゃうわね。
自分自身、こんなに滑稽だと思ったことはない。
あぁ、なんて滑稽。

美しすぎるダッチワイフは、固く閉じた瞼に瞳を隠す。
「あ、ん、ああ……っ」
「ねぇ、ここがいいの?」
「あっ、や、あ…!」
くちゅくちゅと卑猥な音をたてながら、彼女の膣をかき回す。

二本の指で、上の壁を強く撫でると、彼女の腰がぴくんと跳ねた。
いやいやと首を振りながら、本気で抵抗したりしない。

快楽に目覚めた体は開いていくくせに、心はけして開いたりしない。

脳裏にちらつく、淡い金色を、彼女の首筋に吸いつくことで無理やり振り払う。
そしてまた、自分でつけた鬱血痕に嫉妬する。

「んぅ…あ、だ…っ、め」
耳元で響く彼女の声が、愛しくて、憎らしくて。
中に埋めた二本の指を、少し強めに突き上げた。

まるで意地を張るように、彼女は絶頂へ向かうことを拒否する。
私の指なんかで、イってたまるか、そんなふうに。
彼女は快楽を否定する。

シーツを握りしめる指を解いて、無理やり手を握る。
握り返してきた力が、思っていたよりずっと強く、視界の端に血が止まって白くなった指が見えた。
その色は、上気して真っ赤に染まった胸元と対照的。

綺麗だ。とても綺麗。
その身体を切り開いて、内臓までも全て、私のモノにしてしまえたらいいのに。

そんなこと、出来るはずもないから、膣に埋めた指で彼女を追い詰めていく。
ルカが大きく反応する場所を、重点的に攻めていく。

「はぁ…っん……ああ……っ」
ふと、綺麗にのばしていたはずのシーツがよれてしまったことに気づく。
私が必死だった証拠。
私の一人舞台。

「ん、ああ……も、ぅっ」
「もう…イクの…?」
喉から絞り出した声が、あまりにも掠れていて自分で驚いた。
「あ、ん、やぁ…もぅ…だめっ……っ!」
彼女の中が、きゅうと締まる。
二本の指が締め付けられるのを感じた。

ひくひくと痙攣する中から、指を引き抜くとき、弛緩した彼女の体が少し震えた。

「ん…」
手早く後処理をすませ、服を着せる。
ルカの意識は既に、半分以上とんでいた。
少しだけ開いたルカの唇を見る。
口づけようと思って、やめた。

これ以上は駄目だ。
きっと、もっともっと欲しくなる。
今度こそ、心まで求めてしまう。
最後に見えたのは、上下する胸元と、白いシーツの皺だった。

後ろ手に、ルカの部屋の扉を閉めた時、リビングから浅葱色の影が近づいてくるのが見えた。
あぁ、これは聞かれたな…と他人事のように思う。
どんな顔をしてすれ違えばいいのだろう…

すれ違ったミクの表情は、予測出来ない程優しくて。
確実に、モノオトは彼女の耳まで届いていたはずなのに。

柔らかな表情の意味が分からなくて、私はただ、揺れる浅葱色を見つめていた。






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