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いもばんをやろう!

と、黄色いのが言った。

「いもばんって…芋ではんこ作るやつ?」

「そぅ、それ。」

けろっとした顔で、彼女はそういう。
いもばんって…

「こんな年にもなって、図画工作…?」

図画工作…略して図工。
小学校で、音楽の授業と並んで、楽しいと評されるあの授業。
わたしは嫌いだったけど…

「違うよー。初めての共同作業だよー」

意味が分からない…と、切り捨てたら彼女は怒るだろうか…

「というか、何故いもばん…」

「聞いたの!」
満面の笑みでわたしを見上げる、黄色いの。
この間、堂々とわたしの身長を追い越す宣言していたけど…
黄色いのは黄色いので、ちっちゃくていい。

というか、わたしより大きくなられたら困る。
わたしが、色々と…イロイロと。
「なにを?」
誰に、とは聞かない。
リンに、何か意味のわからないことを吹き込むのなんて、考えなくても誰だか分かる。

「ハタチになるまでに、二人でいもばん作ると幸せな結婚が出来るんだって!」

…。
なんていうか…かわいいね、きみ。

「うん。それ騙されてるよ、リンちゃん」
「大丈夫!芋はもう用意してあるよ!」

わたしの言葉は聞こえないのね、あなたの耳に。
いや、分かってたけど…
どうせ一度言い出したら、きかないだろうし。

そういうとこ、嫌いじゃないし。


影で、けらけらと笑っているであろう、赤とピンクは気に食わないけど。
それでも、楽しそうにわたしの手を引く彼女を見ていると、まぁいいかな、なんて気になってしまうから不思議だ。

あたしはミクって彫るから、リンって彫ってねー
だってさ。


あー…
でも、やっぱりあの赤とピンクはムカつく。






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