Are You My Thing?


ミク視点

Speak low if you speak love.




付き合ってください、とものすごい真剣な顔で言われた。
押し倒されている状況、もう少し何とかならなかったのだろうか雰囲気とか。

「ねぇ私メイ姉と寝てないよ」
「…うん」
「あと、私が好きなのはマスターじゃないよ」
「……うん」
「リンのこと気持ち悪いなんて思わないよ」
「……う、ん」

ぐすっと音がして、リンの涙が降ってきた。
誰だ、リンを泣かせたやつ…

「私か…」
「…え?」
声が涙で濡れている。

「私以外のやつがリンを泣かせたら、そいつのこと半殺しにしてやろうともくろんでるの」

だって…

「だって」
「だって…?」
「恋人に対する所有的な表現はアリだよね」
「?」
私の頬に、涙を降らせながら、リンが不思議そうな顔をした。

「リンのことを泣かせたやつは地中に埋めてやるの。だって」

Loveだもの、なんの問題もない。

「だって、貴女は私のものだもの」

「お。おぅ」
「なにその返事」
「じゃぁ、ミク姉もアタシのものでいい?」
「あ、涙止まってるじゃん」

返事してよ、とリンの小さな声が降ってきた。
私のリン。

「ねぇリン。リンはマスターのこと好き?」
「え、マスター?…普通…」
「ふふ、じゃあリンは私の体が目当て?」
「……体も目当て。でも、心が目当て」
「リンは私のもの?」
「うん」

顔の横に置かれている手に触る。
私の右手を、彼女の左手に絡ませる。

「リン、私のこと、好き?」

左手がきゅっと握り返してくるのを感じた。
リンの手は思いのほか小さい。

「うん、好き」
小さな小さな声でもう一度、だいすきとつぶやいた。

視界は全面リンでいっぱい。
繋がれた右手は少し不格好だけど、彼女の体温を感じることが出来るのならなんでもいい。

耳の奥で聞こえる胸の痛みが、今はとても心地よい。






家具通販のロウヤ